なぜそうなるか
シロアリ工事の「5年保証」は、何を約束しているのか——日本しろあり対策協会のQ&Aは、どの問いにも「保証書を確認して」と答えていました
工事が終わって、業者から一枚の紙を渡されます。表には「5年保証」と大きく書かれていて、それを見て少し安心した覚えのある人は多いはずです。
ところが数年たって、床下ではなく窓枠や柱のあたりでシロアリを見つけることがあります。あのときの保証で直してもらえるのかどうか、渡された紙を探しながら迷う場面です。
保証という言葉は同じでも、何を約束しているのかは、紙の中身を読まないと分かりません。再び出たときに駆除だけをしてくれるのか、傷んだ木の修理まで含むのか、そもそも対象になる場所はどこなのか。
点検を口実にした勧誘の話は、前の記事で自治体の注意喚起から読みました。こちらは、契約して工事を終えたあとの、保証のほうの話です。
今回開いたのは、シロアリ防除の業界団体である公益社団法人日本しろあり対策協会のサイトにある「シロアリQ&A」のうち、「保証に関すること」に並ぶ問いと答えです。寄せられた相談に、協会が短く答える形になっていました。
この記事では、協会の答えを2026年9月27日の時点の文のまま引きます。自分の家の工事で何が約束されているかは、手元の保証書で確かめてください。
・保証の中身は業者によって異なり、協会に統一したルールはない
・部分施工だと保証がつかない場合が多い
・再発時に駆除までか、修復費用までかは保証書の記載による
・薬剤の有効期限は5年
・保証は業者が行うもので、業者がなくなると無効になる
保証の中身は、どこで決まっているの?
「5年保証」なら、どこの業者でも同じことを約束しているの?
4年前に駆除した家で、トイレの窓枠に再発したという相談がありました。業者から床上は保証できないと言われた、という問いです。協会はこう答えています。
保証については保証書をよく確認して下さい。業者によって保証内容は異なります。
別の問いへの答えでは、協会自身の立場も書かれていました。
保証に関しては各業者の判断で行っており、協会で統一したルールはありません。
業界団体が決めた共通の保証があるわけではなく、中身はそれぞれの業者の保証書に書かれている、という形です。
お風呂場だけの工事でも、保証はつくの?
リフォームのついでに一部だけ頼んだら、保証書は出ないと言われた。
相談は、リフォームにあわせて風呂場だけにシロアリ対策をしたら、保証書が出せないと言われたというものでした。
一般的には部分施工の場合は保証がつかない場合が多いです。
「場合が多い」という書き方で、必ずつかないとまでは言っていません。一部だけを頼むときは、保証の有無を工事の前に書面で確かめておく場面です。
再発したら、どこまで面倒を見てもらえるの?
再発したら、傷んだ木の交換までしてもらえる?
2年前に駆除した家で再発し、被害のあった根太も替えてほしいという相談への答えは、少し長めでした。
どこまで責任を負うかは保証書の記載内容によります。再発したシロアリを駆除することまでが保証内容の場合もあります。
続けて、修理の費用に触れています。
修復費用まで責任を負う場合は上限金額が記載されています。
駆除のやり直しだけの保証もあれば、修理代まで含む保証もあり、後者なら上限の額が書かれている、ということです。再施工の方法は業者の判断による、とも添えられていました。
5年たったら、もう一度工事がいるの?
保証が切れる5年目には、必ずやり直さないといけない?
予防工事の1年後にシロアリが出たという相談への答えは、保証書から始まっていました。
お手元の保証書を確認して下さい。一般的には5年の保証が付いていると思いますので、まずは業者に相談して下さい。
5年目の扱いについては、別の問いでこう答えていました。
薬剤の有効期限は5年です。5年を過ぎたからといってすぐに被害が出るわけではありませんが、
この文は、5年を過ぎた家で再施工をするよう協会が勧めるところまで続きます。5年たてば必ず工事がいる、とは書かれていませんでした。
業者がなくなったら、保証はどうなるの?
工事をした会社が廃業したら、保証書はただの紙になる?
相談は工務店からで、頼んでいたシロアリ業者がなくなったというものでした。
あくまでも保証は業者が行うものですので、この場合保証は無効になってしまいます。
リフォーム会社を通して頼んだ場合の答えもありました。
リフォーム会社と契約をした場合はシロアリ業者は下請けになります。この場合責任の所在はリフォーム会社になります。
同じ答えは、こう続きます。
基本的にはすべてリフォーム会社を通して話しを進めるべきです。
契約の相手が誰かによって、再発したときに連絡する先も変わります。
この記事で確認したこと
・保証内容は業者によって異なり、協会で統一したルールはない
・部分施工の場合は保証がつかない場合が多い
・再発時にどこまで責任を負うかは保証書の記載による。修復費用まで負う場合は上限金額が記載される
・薬剤の有効期限は5年
・保証は業者が行うもので、業者がなくなると無効になる。リフォーム会社経由なら責任の所在はリフォーム会社
よくある質問
保証書をなくしてしまったら、どうすればよいですか
今回読んだQ&Aには、保証書をなくした場合の答えはありませんでした。工事をした業者、またはリフォーム会社経由ならその会社に、控えが残っているかを問い合わせることになります。
保証をめぐって業者と話がまとまらないときは
協会は、契約の解除にかかわる費用の相談に対して、住宅リフォーム・紛争処理支援センターを紹介していると答えていました。自分の件がそこで扱われるかは、センターの案内で確かめてください。
無料点検で勧められた工事の保証は、あてになりますか
この記事では判断できません。点検を口実にした勧誘については、前の記事で自治体の注意喚起を読んでいます。どの業者でも、保証の中身は保証書の文で決まります。
この整理が変わる条件
- 日本しろあり対策協会が、今回読んだQ&Aの答えを改めた場合(本記事は2026年9月27日に読んだもの)
- 薬剤の有効期限についての協会の見解が変わった場合
- お手元の保証書に、Q&Aと違う取り決めが書かれている場合(その場合は保証書が優先します)
出典
- 公益社団法人日本しろあり対策協会「シロアリQ&A 保証に関すること」 https://www.hakutaikyo.or.jp/faq/faq_cat/promise
- 同「築25年の木造住宅です。4年前に駆除しましたが…」 https://www.hakutaikyo.or.jp/faq/2650.html
- 同「家のリフォームにあたり、シロアリ対策も勧められましたが…」 https://www.hakutaikyo.or.jp/faq/2651.html
- 同「予防工事をしてから1年後にシロアリが出ました。…」 https://www.hakutaikyo.or.jp/faq/2652.html
- 同「2年前に駆除工事をしましたが、今年になって再発しました。…」 https://www.hakutaikyo.or.jp/faq/2653.html
- 同「5年間の保証がついていますが、…」 https://www.hakutaikyo.or.jp/faq/2654.html
- 同「シロアリ駆除実施後に建物を売却しましたが、…」 https://www.hakutaikyo.or.jp/faq/2655.html
- 同「リフォーム業者を通じてシロアリ駆除をしました。…」 https://www.hakutaikyo.or.jp/faq/2656.html
- 同「工務店ですが、今までお願いしていた業者が無くなってしまいました。…」 https://www.hakutaikyo.or.jp/faq/2657.html
工事の契約をする前に、保証書の見本を見せてもらい、対象の場所と期間と修理代の上限を確かめてください。
当方が上の出典を引いて確かめた日: